加瀬 亮は、日本の俳優。神奈川県横浜市出身。アノレ所属を経て、2018年に個人事務所RYO KASE OFFICEを設立。身長174cm。 生年月日: 1974年11月9日
名言
多くの人が賛同すると、そのことで徐々に大きな力を持って、さらに多くの人がそれに寄り添うようになるという風潮はいまの世の中にもあると思う。そのこと自体が間違っているわけではないけど、それがやがて、そこから外れた小さな声を潰そうとするようになるのは危険なことだなと感じます。
いまは一つのものが『いいね!』と評判を集めると、みんながそれに群がる。それは一方で、声の小さな誰かを追いつめることになるかもしれないとも思います
ここ数年、自分のキャリアの中心としてやってきたはずの単館系の映画が、映画館ごと消えていってしまってますからね。産業として必要とされず、成立しなくなっている現状がある。正直、かつての自分のような若者がいま『単館系の映画で俳優をやっていきたい』と考えても、『食べられないよ』って言わざるをえないですからね。僕自身、俳優として映画に育ててもらったという気持ちは持っています。だからこそ――怒ってますね、映画界に対して。
僕は、お客さんはもっと頭がいいと思ってます。あっちがラーメンで当たったから、こっちもラーメン…という安易な考えで薄っぺらい作品を出すのは申し訳ないし、観客もそれを観て失望して映画館から遠ざかっていくんだと思う。だからこそ、自分を含めて作り手側がもっと頑張らなくちゃいけないと思っています
物事はどこから切り取るのか、どこから話を始めるのかで見え方が全然変わる
正しさは固まるとすごく危険だと思います。自分でも何が正しいかはわからなかったり、変化したりしますよね。権力や権威主義的なものは、歴史を振り返ってもどうしても腐敗しやすいものですし。仮に正しい人がいて、その人が権力側についたとしても、結局ずっとは正しさを維持できないんじゃないですかね。人間はそこまで完全にできていないと言いますか。なので、監視するまたは批判する、常に自身を含めて点検するようなことをキチッとしてかないと、と思いますね。
個人個人みんな違うのが当たり前で、それぞれが違う中でみんな一緒に暮らすときに、「これが正しい」とか「これが間違いだ」と押し付けるんじゃなく、いろんな角度から点検しないと非常に窮屈なことになると思いますね。
昔は戦争体験をした人がたくさんいて、その経験を語り継ぐ人たちもたくさんいて、その頃のことを知っている人たちは権力が何をしたのかを身を持って知ったわけですよね。そういう体験から、監視したり批判したりする精神が生まれたと思うんですけど、時が経つにつれて忘れさられていったというか。どれだけひどかったかとか、苦しかったかとか、そういうのが忘れられていって、考えなくなってしまったというのもあると思いますね。まぁ、それが平和と言えば平和なのかもしれないですけど、点検するような作業は常に必要だと思いますね。
僕自身はやっぱり言葉にできないようなもの、を求めています。
時間をともにすることによって、知り合うことによって、「違い」ではなく、何か親しみを持てるようなことを発見していくんですよね。
今はどんどん個人個人という主義になっているように感じるんですけど、自分もそうであるように他人にもその自由がある、と想像することは大事だと思いますね。
仕事面だけに限らずいろんなことが自由になってきている感じがして、特に30歳を過ぎてからそれを年々感じています。年下のキャストや監督さんと仕事することも増えているので、いつの間にか「おじさん」って呼ばれるようになりました。ただ、いざ共演すると年齢は関係ありません。子役さんだろうが、初めてオーディションに受かって現場に来た役者さんだろうが、現場では対等です。逆に教えられることも多いし、そういう意味では不思議な職業ですよね。
海外で仕事をすることで、より日本が独特なんだと感じます。国そのものもそうだし、文化や言語もそうです。ある意味、世界からするとマイノリティーで、世界に理解されている「日本」とはまだまだごく一部だと思うくらい伝わっていない気がします。
海外での仕事が増えたからといって、役柄への向き合い方みたいなものに変わりはないです。(役作りの)方法があるわけではなくて、そのとき、そのときの「自分」とまずは向き合って、そこから始めるしかないんだと思います。