小日向文世
名言
42歳、貯金なし。でも、仕事に夢中になれたから毎日が楽しかった
僕の場合は、好きなことだけをやってきたんですよ。もともと役者になろうと思ったのも、好きなことだったからなんです。
生活は食うや食わずでしたけどね。最初は4畳半の部屋だったし、42歳になっても貯金ゼロ。生活費を稼ぐために喫茶店やバーでアルバイトもしました。でもね、とにかく毎日が楽しかったんですよ。あ、アルバイトは嫌でしたけどね。やっぱり生活のためだけに働くっていうのは、つらいってことですね。
今、僕がこうしていられるのは、「熱中できるものを見つけられた」っていうことが大きいんです。これは会社員でも同じじゃないかな。もし今、仕事がつまらないと思っているなら、自分に正直に向き合って、夢中になれるものを見つけたほうがいい。そしてそれにチャレンジしてみる。人生にはそんな時期があってもいいと思うんですよ。
今いる場所を好きになることって、すごく重要なことなんですよ。さっき、好きなことで食っていけたら最高だという話をしましたが、そのために必要なことを挙げるとするなら、「自分のいる場所を好きになる努力をすること」だと思います。
どんな場所だって、苦手な人や嫌な人はいるんです。あいつさえいなければなあ、とかね、人間関係の悩みは結構あります。でも、そんな風にマイナス志向でいたら、辛いことしか浮かばないんです。だから、自分で工夫しなくちゃならない。僕の場合は、仕事仲間を家族だと思うようにしたんです。
家族だったら、どんなにケンカしても許し合えるでしょう?本音をぶつけられるんです。本音を言うことって大事ですよ。不満を腹の中にためていても、いいものは生まれない。今振り返っても、本音をぶつけ合うことで道が開けたことって多いんですよ。会社でも上司をお父さんやお母さん、同僚を兄弟だと思うと、いい関係が築けるんじゃないかなあ。家族と全く同じにはいかないだろうけど、少なくとも、今よりは仕事がしやすくなると思う。
小日向さんはいつも笑顔でいいですねと言われるんですが、実はいつもいい状態でいられるよう、どんな時も心を開放できる環境を作っておくこと、無邪気でいられる環境を作っておくことを心がけています。そのためにどうしたらいいか、いつも考えます。難しいんですけどね。でも、自分のメンタル面って、いろんなことに影響を及ぼしますから、重要なんですよ。
会社員だって同じだと思いますよ。いつもいい状態でいるために、日々の生活の中から楽しみを見つけておく。些細なことでいいんですよ。受付の女の子がかわいい、でもいい。自分がいる場所でワクワクできるものを見つけて、心を常にいい状態にしておく。それがいろんなことを好転させていくんだと思いますよ。
金がなくても、健康ではなくても、日々生きているっていうだけで奇跡なんですよ。それに気づいている人は、本当に幸せだし、神様も運も味方するってことですよね。