「大人の育て方」 | 言葉と人生

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「大人の育て方」

武井壮 スピーチ

伝説のスピーチ

なんだか最近の世の中を見ていますと、オトナと子供がちょっと逆転してんじゃないかな?

そんな風に見えるですね。

子供達は自分好きな事を楽しくやって、

でもオトナ達はなんかお仕事我慢して頑張ってたり、

世の中つまんないなんて言ってたりとか。

これって僕はなんかおかしいんじゃかないかと思っているんですよ。

今回僕のお話のテーマですけど

「オトナの育て方」なんて、ちょっと偉そうなタイトルになっちゃっているんですけど、

どうやって生きて行くのがオトナのあるべき姿なのかな?

という事を最近芸能界に来させて頂いて、

考えることが多くなったんで、

そのあたりをほんの少しだけ皆さんと一緒にお話していければ嬉しいなと思っているんです。

生い立ち

僕は今42歳で今日も短パン履いているんですけど、

まだまだちょっとオトナになり切れていないなと思う部分が凄く沢山あるんです。

動物の倒し方喋ったり、ジャングル行ってサバイバルやってたりとか、

凄い子供っぽい事をお仕事にさせてもらっているんですけども。

今させてもらっていることは、どれも凄く僕の大好きなことで、

今最高の毎日を過ごしているんです。

僕の幼少期の話をさせて頂くと。

家族と縁が無い家庭で育ったもんで。

まず母親がいなくて、父親はいたんですど、ちょっとワイルドな父親で他に家庭を持っていまして。

兄と二人兄弟だったんですけど、なかなか一緒に住む事ができなくて、子供の頃から子供だけで暮らしていたんですね。

僕等は子供の頃、なんとかして学校行かなきゃいけない。

毎日洗濯炊事とか全部自分達でやらないといけないと。

それが当たり前の育ちだったんで、当時はたいしてしんどいな、なんて感じてはいなかったんですけど。

何で他の家にはお父さんお母さんいるのに、うちにはいないの?

位は感じていたんですよ。

だけど、学校も行きたかったしスポーツもやりたかったし。

何とか頑張って学校に行きたい。でも、学費が無かったんで、

私立の成績が1番だと学費も入学金も全部免除の学校に入って、6年間全部タダにすることができたんですね。

でもその時って、僕が勉強できたわけでもしたかったわけでもなくて。

やんなきゃ学校に行けないっていう状況だったんです。

だから、しょうがないから授業を真剣に一番前の席で真剣に受けて、とりあえず教科書を一学期目に貰ったら全部先に読んじゃう。

向上心があったわけでもなく、向学心があったわけでも何でもなくて、それをしないと学校に行けないという強制だったんですね。

社会人の人が毎日朝から晩迄、会社に行かないといけないのと同じような感覚で子供頃を過ごしていたんじゃないかなと思うんですけど。

今は芸能生活させて頂いて、

収入とかもやらしい話ですけど、

かなりオトナになってきましてですね。

アスリート時代、陸上で日本チャンピオンになっていますけど、ぶっちゃけ収入なんか100万あるか無いか、多い年でも200何十万、そんなもんだったんですけど。

今ちょっと二ケタ位あがっているんですね。

ドン引きしちゃう方もいらっしゃるかもしれないですけど。

スポーツ

僕はスポーツで生きて行こうと、身体能力とかで自分は社会から逃げ切ってやろうと思った時期があったんですね。

大体、小学校4年生〜5年生位の時だったんですけど。

ただね、やっぱり日本の社会は意外と厳しくて。

遊びとかスポーツとかで人生をやってこうと言うと、

そんな甘くは無いよっていうのが、大半の見方なんですよ。

殆どの人が失敗しますし、

大学くらいまですげースポーツやるんですけど、

中々上手く行かないみたいな、

スポーツ界の現状でございまして。

でも失敗したくないわけですよ。

なんとか成功してやろうと思って。

ちょっと、僕のスポーツのトレーニング理論を皆さんにお聞き頂きたいと思うんですけど。

例えば、スポーツしたいと思っている1人の子供がいて、こんぐらいの能力を持っていたとします。この中の線の長さは基本的に同じだと思って下さい。

例えば一年トレーニングして能力が伸びた、

例えば筋力が強くなったとか、

そういった事が起きた場合は、この線が大きくなっていくと思って下さい。

でも、そうじゃない場合、例えば野球をやります。野球の練習を猛烈にします。

バッティング練習、何千球も売って素振りして、そのバッティングの能力が高めたとします。

その状態ってこのおんなじ子がやってそうなった場合はどうなるか?

この丸い能力が縦にこうゆう風に、こうやって伸びるんですね。

1つの業界で何か頑張るということは、それを縦に凄いとんがりを高くして伸ばして行くこと。

この(縦に)高く伸びた状態が凄く技術の高いアスリートということなんですよ。

わかります?

陸上選手もそうですけど、100mを10秒0で走れなんて人は、殆ど横幅が無いような状態。

だけども、

この状態って自分の能力がこの内側なので、隣に行ったらド素人なんですよ

わかります?だから、多くのアスリートとか学生さん達が、すごい一生懸命スポーツを10年間頑張ったんだけど、大学卒業する時その先お金を貰って、プロのスポーツ選手として殆どの人が活動出来ない、ていうのが現状なんですよ。

ほんとにギャンブルなんですよ。

実際に僕自身、大学時代に出会った陸上競技で2年半くらいで陸上の10種競技の日本チャンピオンになれたんですけど。

陸上の10種競技って殆どの人が知らないでしょ。

10種競技知っている人います?

殆どいないですよ。

誰もお前等のやっていることなんて知らないよっていうのが現状だったんですよ。

それでお金を稼ぐというか、経済価値を生むということが全く出来なったんですね。

8年間の勉強

それからちょっとずつ勉強するんですね。

世の中で何か価値のあるものってどういうものなんだろう?

そんな時期を散々過ごして、もう30歳位になっちゃったんですね。

そんな頃に衝撃的な出来事がありまして。

僕8年間、31歳から39歳まで家が無かったんですけども、その理由がありまして…。

そんなもがいていた時期に、

ある芸能人の方、芸人さんと出会って、

一緒にご飯食べさしてもらったり、

野球を一緒にやったりするようになり始めたんですよ。

その人達がテーブルついて話し出すと、皆ワ〜ッ!!って笑い出したりとか、

笑顔になったりするわけですよ。

これが衝撃的で。

「この人達は俺の欲しいものを持っている、魔法使いじゃないですか」と。

その頃歌手の森山直太朗君とか、ピエール滝さんとか色んな人に出会っているんですけども。

その人たち、ライブで謳うだけで皆5,000人、10,000人がぶわ〜って泣いたり、喜んだりするわけですよ。

「あ〜、なるほど!」と。

俺に無くて、この人達にあるのはこれなんだなと、ちょっとづつ気づき始めるんですよね。

人の求める数

物事って何が価値を生むかって言ったら、やっぱりこれなんですよね。簡単ですよ。
「人が求めるもん、数だけなんですよ。」

スポーツの僕のクオリティって自分で言うのはなんですけど、ある程度高いものだと思うんです。

各分野に言ったら日本一を取れる能力もありましたし、

クオリティ自体は凄く高いものがあるんです。

クオリティ自体は高いんですけど、価値が無い。何故なら、それを人が求めている数が凄い少なかったからなんですね。

例えば、世界で最高品質の何か商品を1個作りましたと。

明らかに地球上で最高の品質のものなんです。

だけれども、誰にも告知していないんで1つも売れていません。

これって社会的価値ありますか?無いですよね?

でも、世界で10番目位のものなんだけれど、世界中の人が使ってて、世界中の人が欲しがってて、一年に10億個売れます。

これって凄い経済価値を生みますよね?

それが多分、社会的な価値なんだと思うんですね。

陸上競技見てみましょうか。

陸上競技って世界中で誰もが知っているメジャースポーツなんですよ。

だけど、日本の陸上競技ってどうなっているかと言うと。

陸上競技って100、200M、400Mとか色んな競技あって、大体25種目、女子もあるから、日本選手権は50種目ある。

日本選手権は50人が50種目に出てているので2500人いるわけです。

日本最高峰の大会に出場する選手が2,500人いるってことなのね。

で国立競技場。

あれ満席で50,000人位で満席と言われてます。

大体50,000人入ればどんなスタジアムでも満席じゃないですか?

2,500人が50,000人埋めるには、1人の選手がたった20人呼べば50,000人が満席になります。

でも、陸上の日本選手権が満席になっているのを俺は見た事がないんです。一度も。

2,500人のその道のトップの選手達が争う、年に一回しかない大会を足を運んで見に行きたい思う人が、

ぶっちゃけ10,000人いるかいないかなんですよ。

ってことはこれ以下の価値だということ。

一人一人の選手の価値って。

1人に対して20人位も埋めていない。

これが今のスポーツ界の現状です。

芸能界

僕さっきも言いましたけど、

エンターテイナーの方に出会って、

その人達が出会う人出会う人を笑顔にしていくのを見てこういうことだな。

人が求めているってこういうことなんじゃないかって思って。

そこから、自分が成功したいと思ってやっていただけのスポーツを変えてみたんですよ。

世の中の人が僕を彼等みたいに愉しみに見てくれている人になれないかって思い出したんですね。

人の価値とか商品の価値っていうのはそのクオリティじゃないんですよね。

スポーツのクオリティでもなければ、商品のクオリティでもなければ、

トークの面白さだけでもないんです。

それを見て喜んでくれる人の数だっていうことに、30歳位の時に気づいてその活動を始めたんですね、

でも、僕には人を楽しませるトークの術も何も無かったんですよ。

だからその日から家を借りることを止めて、芸人さん立ちが集るバーに行って、自分の洋服とかカバンに全部ICレコーダーを仕込んで。

皆さんがトークしてワーッ!と笑いが起きているとこを全部編集して、繋いだCDを車の中で流して、ずっと車で流して1人でずっと聞いていたんです。

8年かかりました。

8年ずっとその人達の声の感じと間を全部まねして、車の中で一言違わず喋れるようになってったりしていったんですね。

今年世界マスタ−ズ陸上で40歳以上のオジさん達が、1番足が速い人を決める大会で金メダル取らして頂いて。

大した記録でも無いし、現役選手に方が全然早いタイムで走るにもかかわらず、

僕の優勝が決まったフランス時間のその1時間後には日本のヤフーニュースのトップになっていたんですよ。

本当に僕は有り難いことだなと思っていて。

僕が今持ってる価値とか、頂いている収入とか、そんなものなんて自分のクオリティで手に入れてるもんじゃなくて明らかに、僕に皆さんがつけてくれているものだと思うんですね。

どんな仕事しても、どんな趣味持っても、どんな希望持てて、どんな夢があっても、それを誰かが必要としてくれなければ、僕は価値が無いと思います。

それは30歳位の時までに、

日本一のクオリティを保っているにも関わらず、一円も稼げなかった僕が一番感じたことであり、真実じゃないかと思うんですね。

だから、できる限り若いアスリート達には僕みたいなタレントのことを羨ましいと思って欲しいんですよ。

何であの人の記録は大したことないのに、あんなに色んな人に応援してもらって、沢山のお給料貰って、自分の好きなスポーツを自分のお仕事に出来ているんだろう?

20人にも満たなかった自分のチャンピオンとしての能力が、

今は皆さんのお陰で何百万、何千万ってものなっているってことなんですね。

大人になっても夢は叶う

僕こういう事を全く知らなかったんです。

スポーツやる時も、始める時も、チャンピオンになった時も。

でも、オトナになってからどんどん勉強して。朝から晩迄お仕事がつまっているんですけど、

それでも必ず一日が終わった後で一時間トレーニングをする。

自分が持っていなかった能力を少しでも磨いて、昨日の僕より、今日の僕が成長してあげるようにする。

それと、今僕全く知らない事。

例えば初めて聞いたニュースを一時間必ず必ず調べる、勉強するってことを。

この2時間だけは、どんなに遅くて間が無くても自分にプレゼントしてあげるようにしてるんですね。

是非ね。

私武井壮、1番子供ですし、

一度も就職したことありませんし、どうしようもない子供ですけども。

もしかしたら、この子供のまんまずっとこのオトナな社会を歩いていけるじゃないかな、

なんていう幸せを感じております。

是非、皆さんにも一日10分でも20分でも30分でもいいんで、

今自分の持ってない知識や能力をより伸ばして、今密かにもっている夢だとかあったら、

オトナになって絶対に叶うよっていうことを、メッセージを送りたくて今芸能界でスポーツをやっていますので。

子供達がより無邪気に子供時代を過ごして、

オトナになってもうちのお父さんみたいに一日一時間使って夢が叶うんだから。

一個位スポーツ失敗したって 勉強失敗したって、受験失敗したって 就職活動失敗したって、いつ迄立っても夢を見れるよと。俺の背中見とけと、俺は毎日自分の時間使って夢叶えってから、おし叶ったと、ほらみろよと、一緒に成長していけないかなと。

それが本来の子供とオトナの関係じゃないかと。それがオトナの育て方なんじゃないかな?って

今の僕が感じる全てでございました。

「武井壮のオトナの学校、オトナの育て方」

講義をこれにて終了させて頂きます。

本日はご清聴ありがとうございました。

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